Yamaha YDS-3(1964)

【概要】Yamaha YDS-3(1964)――2ストスポーツ黄金期の幕開け

Yamaha YDS-3は、1964年に登場したヤマハ2ストロークスポーツの代表格であり、
前作YDS-2からさらに進化した高性能モデルとして登場した。
当時、国内外の250ccクラスで圧倒的な速さを誇り、
ヤマハの“走りのブランド”としての地位を確立した1台である。
特に新採用されたオートルーブ(分離潤滑システム)は、後の2スト車の常識を変えた。

開発背景 ― 快適さとスポーツ性能の両立

YDS-3の最大の革新は、ヤマハ独自のオートルーブシステム
それまでの混合給油式とは異なり、エンジンオイルとガソリンを自動的に供給することで、
潤滑不足や過剰オイルによる白煙の問題を解決。
さらに、従来モデルよりも低速トルクと高回転パワーのバランスを最適化し、
街乗りからサーキットまで幅広く対応する万能マシンとなった。

【主要スペック(代表値)】

型式 YDS-3
年式 1964 年
エンジン 空冷2ストローク並列2気筒 / オートルーブ
総排気量 246 cc
最高出力 24 PS / 7,500 rpm
最大トルク 2.5 kg·m / 6,500 rpm
トランスミッション 5 速リターン
車両重量 約 145 kg
最高速度 約 150 km/h

文化的意義 ― ヤマハ“オートルーブ”の誕生

YDS-3の登場は、ヤマハにとって技術革新の象徴であり、
以降のYDS-5、RDシリーズ、RZシリーズなど、
全てのヤマハ2ストロークモデルの原点となった。
海外市場でも「Japanese Rocket」と称され、
日本車の信頼性とスピードを世界に知らしめた歴史的モデルといえる。

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