Yamaha XT500(1976)

Yamaha

【概要】Yamaha XT500(1976)――オフロードと冒険の象徴

Yamaha XT500は1976年に登場した空冷4ストローク・SOHC単気筒(499cc)のデュアルパーパス。
軽量な車体と信頼性の高いビッグシングルが生む分厚いトルクで、舗装路から荒野まで“どこでも走れる”を体現した。
ダカール・ラリーやISDTでの活躍により、XT=冒険の代名詞として世界的に支持され、以後のデュアルスポーツ文化を牽引した歴史的モデルである。

開発背景 ― “丈夫で遠くへ”行くために

当時のオフロードは2スト全盛期だったが、XT500は扱いやすい4スト単気筒で勝負。
低回転から湧くトラクションとロングストローク特有の粘りで、長距離林道や砂漠走行に強みを発揮した。
キック始動は儀式的だが、点火タイミングとデコンプのコツを掴めば一発で目覚める“相棒感”も魅力だ。

デザインと装備 ― シンプル・イズ・ベスト

スリムなタンク、フラットシート、ワイヤースポーク、アップフェンダーという機能美の塊
余計な装備を排し、軽さと整備性を最優先した設計は、現在のレトロトレイル人気にも通じる。
アルミリムや強化サスへのアップデートで、いまも現役で“走れる旧車”として愛されている。

【主要スペック(代表値)】

型式 XT500
年式 1976 年
エンジン 空冷4ストローク単気筒 / SOHC 2バルブ
総排気量 499 cc
最高出力 32–33 PS / 5,600 rpm
最大トルク 3.9 kg·m / 4,500 rpm
キャブレター φ32 mm 単室
トランスミッション 5 速リターン(キック始動)
車両重量 約 140–150 kg
タンク容量 8.8–11 L(市場・年式差)
ブレーキ 前後ドラム

旧車としての見どころ

  • トラクション性能:低速粘りとリヤ荷重で林道が楽しい。
  • 整備性:単気筒ゆえのシンプル構造。ポイント→CDI化など信頼性アップ定番あり。
  • パーツ事情:欧州を中心に豊富。外装・足回り・電装系のリプロが入手可。

【関連リンク】

タイトルとURLをコピーしました