【概要】Honda SL350 K1(1971)――デュアルパーパス時代の幕開け
Honda SL350 K1は、1971年に登場したホンダ初期のデュアルパーパス(オン・オフ兼用)モデルである。
CB350をベースにオフロード性能を高め、アップマフラーやワイドハンドルを装備。
舗装路から林道までこなす万能性で、当時アメリカを中心に爆発的な人気を誇った。
その“どこでも走れる自由さ”は、現代のアドベンチャーバイク文化の原点といえる。
開発思想 ― 「どこでも行けるHonda」
SL350は、単なる派生車ではなく冒険をテーマに開発された。
軽量フレーム、強化サスペンション、19インチフロントホイールを備え、
オンロードでは安定した走行性能を、オフロードでは俊敏なハンドリングを実現。
この万能さが北米で高く評価され、“自由の象徴”として人気を確立した。
【主要スペック(代表値)】
| 型式 | SL350 K1 |
|---|---|
| 年式 | 1971 年 |
| エンジン | 空冷4ストローク 並列2気筒 / OHC |
| 総排気量 | 326 cc |
| 最高出力 | 33 PS / 9,500 rpm |
| 最大トルク | 2.9 kg·m / 7,500 rpm |
| トランスミッション | 5速リターン |
| 車両重量 | 約 155 kg |
| 燃料タンク容量 | 9 L |
文化的影響 ― トレイルバイクの原点
SLシリーズは“トレイルバイク”という新たなカテゴリーを切り開き、
キャンプやツーリング文化と融合したライフスタイルを生み出した。
この系譜は後のXLシリーズ、Transalp、Africa Twinにまで連なる。
まさに“どこへでも行けるホンダ”の象徴的存在である。

