【概要】Honda GL1000 Gold Wing(1974)――ツーリングの概念を変えたフラッグシップ
Honda GL1000 Gold Wingは、1974年に登場したホンダ初の本格的グランドツアラー。
水平対向4気筒エンジン+シャフトドライブという大胆な構成で、当時としては異例の静粛性・耐久性・スムーズさを実現した。
その後の「ゴールドウイング伝説」を築く初代モデルであり、
“ロングツーリング=GL”という文化を確立したバイク史の金字塔である。
開発背景 ― 快適さのためのメカニズム
ホンダは1960年代後半から「高性能=快適性」という新しい価値観を模索していた。
その答えとして生まれたのが水冷・水平対向4気筒エンジン。
低重心設計とシャフト駆動により、長距離巡航時の安定感は群を抜いており、
当時の欧米市場で高く評価された。
GL1000はスポーツツアラーとラグジュアリーバイクの中間に位置する革新的存在だった。
【主要スペック(代表値)】
| 型式 | GL1000 Gold Wing |
|---|---|
| 年式 | 1974 年 |
| エンジン | 水冷4ストローク水平対向4気筒 / SOHC |
| 総排気量 | 999 cc |
| 最高出力 | 82 PS / 7,000 rpm |
| 最大トルク | 8.6 kg·m / 5,500 rpm |
| トランスミッション | 5速リターン |
| 駆動方式 | シャフトドライブ |
| 車両重量 | 約 295 kg |
| 燃料タンク容量 | 19 L |
| ホイールベース | 1,490 mm |
文化的影響 ― “キング・オブ・ツアラー”の誕生
GL1000はツーリングバイクのスタンダードを塗り替え、
後に登場するGL1100・GL1200・GL1800へと続く系譜を築いた。
アメリカではクラブツーリングの象徴として愛され、
日本でも「最高峰ホンダ」として憧れの的に。
GL1000は単なるバイクではなく、“走る高級車”という新たな概念を生み出した。
