Yamaha RD250/RD350(1973)

Yamaha

【概要】Yamaha RD250/RD350(1973)――2スト黄金時代の頂点

Yamaha RD250/RD350は1973年に登場した、2ストロークスポーツの代名詞ともいえる名車。
“RD=Race Developed”の名の通り、レースで培った技術を惜しみなく投入し、
ストリートで最速・最軽量・最も扱いやすいスポーツとして世界を席巻した。
その強烈な加速と2スト特有のサウンドは、今日に至るまで“ヤマハらしさ”の象徴として語り継がれている。

開発背景 ― Rシリーズの集大成

YDS・YR・DSを経て熟成されたヤマハ2スト技術の集大成がRDである。
最大の革新はトルク・インダクション・リードバルブ吸気の採用。
これにより低速トルクを改善し、街乗りでも扱いやすくなった。
同時に高回転域の吹け上がりも鋭く、特にRD350では
最高出力39PSという当時の中排気量最強クラスのパワーを誇った。

走りと設計 ― ストリートレーサーの完成形

前ディスクブレーキ・リアドラムの組み合わせ、軽量なダブルクレードルフレーム、
そして分離潤滑オートルーブなど、信頼性と性能を両立。
ヤマハ独自の“コントローラブルな速さ”を体現する仕上がりとなった。
特にRD350は欧州・北米市場で“Giant Killer”と称され、
大型4ストを打ち負かす実力を見せつけた。

【主要スペック(代表値)】

型式 RD250/RD350
年式 1973 年
エンジン 空冷2ストローク並列2気筒(リードバルブ)/オートルーブ
総排気量 247 cc(RD250)/347 cc(RD350)
最高出力 30 PS(250)/39 PS(350)
最大トルク 2.9 kg·m(250)/3.8 kg·m(350)
トランスミッション 6 速リターン
車両重量 約 160 kg(350)
ブレーキ 前ディスク/後ドラム
最高速度 約 180 km/h(350)

文化的意義 ― “2スト最盛期”を象徴するバイク

RDシリーズは後にRZ250/RZ350へと進化し、ヤマハのスポーツ遺伝子を現代にまで継承した。
今なお旧車ファンの間で絶大な人気を誇り、世界各地でレストア・レース参戦が続く。
日本車が世界を制覇した70年代、その中心にあったのがこのRDシリーズだった。

【関連リンク】

タイトルとURLをコピーしました