【概要】Yamaha DS7(1971)――RD誕生直前、250スポーツの最終進化形
Yamaha DS7は1971年登場の247cc・2ストローク並列2気筒スポーツ。ヤマハ伝統の軽量シャシーと高回転型エンジンを組み合わせ、のちのRD250へバトンを渡す直系先祖にあたる。吸気はピストンポート方式で、後継のRDが採用するリードバルブ(トルク・インダクション)以前の“剛速系”キャラクター。伸びのある加速と軽快なハンドリングで、250クラスのベンチマークとなった。
開発背景 ― 「街でもサーキットでも速い」を250で
YDS/YRシリーズで磨いた設計をベースに、扱いやすさと速さの同居を狙って再設計。分離潤滑のオートルーブ、確実な点火系、軽量ホイールなどを組み合わせ、日常域の扱いやすさを維持しながら高回転の伸びを確保した。ブレーキは前後ドラムで、後継RD250で前ディスクへ進化していく。
デザインと装備 ― コンパクト&タイト
スリムな燃料タンクとタイトなポジションは250スポーツの教科書。メーターは視認性重視のシンプル構成、アップ気味のハンドルでストリート/ワインディング両対応の味付け。軽快さと高回転サウンドがDS7の魅力の核心だ。
【主要スペック(代表値)】
| 型式 | DS7 |
|---|---|
| 年式 | 1971 年 |
| エンジン | 空冷2ストローク並列2気筒(ピストンポート) / オートルーブ |
| 総排気量 | 247 cc |
| 最高出力 | 約 28–30 PS / 7,500 rpm |
| 最大トルク | 約 2.8 kg·m / 6,500 rpm |
| キャブレター | φ26mm ×2 |
| トランスミッション | 5 速リターン |
| 車両重量 | 約 140 kg |
| ブレーキ | 前後ドラム(RDで前ディスク化) |
| 最高速度 | 約 160 km/h |
旧車としての見どころ
- ピストンポート最終期の味:RDのリードバルブとは異なるピーキーな吹け上がり。
- 軽量シャシー:タイトなサイズで峠が楽しい。足回りのリフレッシュが効く。
- 整備ポイント:オイルポンプ調整・クランクシール・キャブ同調・ドラムの面研/調整を優先。

