Honda CL77 Scrambler(1966)

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【概要】Honda CL77 Scrambler(1966)――アメリカを魅了した“ストリートスクランブラー”の原点

Honda CL77 Scramblerは、1960年代半ばに登場したCB77 Super Hawkの派生モデルであり、
高性能なロードスポーツをベースにダート対応のアップマフラーと高めのハンドルを組み合わせた、
“ストリートスクランブラー”という新しいジャンルを生み出した1台である。
北米市場を中心に大ヒットし、のちのデュアルパーパスバイクやアドベンチャーの原点となった。

開発の狙い ― オフロードと自由の象徴

CL77は、当時ホンダが積極的に展開していたアメリカ市場の要望に応える形で開発された。
舗装路だけでなく、ダートトラックや山道も走れる“Fun to Ride”をコンセプトに、
CB77のSOHC並列2気筒エンジン(305cc)をそのまま採用しつつ、軽量化・足まわり強化を実施。
「気軽にどこでも走れるホンダ」を象徴する存在となった。

デザインと装備 ― ダートスタイルの完成形

CL77の最大の特徴は、右側に大胆に張り出した二本出しアップマフラー
軽快な排気音とスタイリッシュなシルエットが人気を集めた。
高い位置のクロスバー付きハンドル、ブロックタイヤ、強化スイングアームなど、
当時の「スクランブラースタイル」の定番装備を確立したモデルでもある。
特に北米西海岸ではサーフカルチャーとも融合し、ファッションアイコンとしての側面も持っていた。

【主要スペック(代表値)】

型式 CL77(305 Scrambler)
年式 1966 年
エンジン 空冷4ストローク 並列2気筒 / SOHC
総排気量 305 cc
最高出力 28 PS / 9,000 rpm
最大トルク 2.5 kg·m / 7,000 rpm
トランスミッション 4 速リターン
車両重量 約 166 kg
燃料タンク容量 約 13 L
タイヤ 前 3.00-18 / 後 3.50-18(オフロードパターン)
最高速度 約 150 km/h

文化的影響 ― カスタム文化への道

CL77は北米を中心にカフェレーサー/スクランブラー/フラットトラッカーなど多様なカスタムのベースとなり、
その美しいラインとバランスの取れた構成は、現在でもレストモッド・プロジェクトの人気素材である。
「CB=舗装路、CL=自由」というホンダのデュアルラインナップ戦略は、
のちのXLシリーズ、そして現代のCL250・CL500にも受け継がれている。

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